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原田マハ『たゆたえども沈まず』あらすじ・感想

個人的にすごく興味のある経歴を歩まれている原田マハさん。

今回は原田マハさんの『たゆたえども沈まず』という小説をご紹介いたします!

 

 

1.原田マハさんって?

まず原田マハさんのご紹介です。

原田マハさんはすごく興味がある経歴を歩まれています!

詳しくはこちら↓

haradamaha.com

なんと、NY近代美術館にご勤務された経験があり、

フリーのキュレーターとして活躍されていたとのこと!

NY近代美術館ってなんぞや?と思われた方も多いかと思いますが、

MoMA」と言われる、

もう美術界や美術ファンでは知らない人がいないというぐらいの世界的に有名な美術館で、

ものすごく有名な絵がたくさんあります。

そんな場所で働かれていた日本人、というだけで

芸術好きな私はひれ伏す想いでいっぱいです。笑

そして「キュレーター」というのは、

かなり砕けた言い方でいうと「バイヤー」「企画」みたいはポジションの方です。

大きい仕事でいうと、「展覧会の企画」でしょうか。

様々な美術館で行われる展覧会は、

キュレーターの腕にかかっていると言っても過言はありません。

とりあえず、原田マハさんとは、そんなすごい人なんです!

 

そんな私にとってすごい人、原田マハさんは、

芸術作品に関する作品をたくさん書かれています。

文章の表現力が素晴らしく、どんな作品も愛に満ちた作品を書かれています。

他の作品に関しては後日ご紹介するとして、

今回は『たゆたえども沈まず』についてご紹介したいと思います。

 

2.『たゆたえども沈まず』の意味とあらすじ

「たゆたえども沈まず」はパリ市の標語として有名です。

「どんな荒波に翻弄されようとも、決して沈むことはない」という意味です。

パリは世界的にいろんな災禍に見舞われることが多くありましたが、

その度ごとに復活してきた。

だから何があってもパリは決してくじけない!という強い気持ちが伺えます。

 

そしてこんな素敵な言葉を題名に付けられた小説のあらすじ

 

19世紀末のパリで二人の日本人が「ジャポニスム」と呼ばれる大きな動きを起こしていた。

そこで出会った一人の名もない画家、ゴッホ

自分にしか表現できないものをもがきながら探しているが、

世間からは評価されない。

そしてそんなゴッホを支える弟のテオの苦悩。

世間の荒波に翻弄されながら、四人が見た世界とは、目指した世界とは。

 

3.『たゆたえども沈まず』の感想

結論からいうと、大号泣しました

ゴッホの苦しみ、テオの苦しみ。

胸が張り裂けそうになりました。

この世の中は理不尽ではありますが、

どんなに頑張っても評価されるとは限りません。

どんなに頑張っても報われるとは限りません。

日本から海外に浮世絵を広め、大ブームを巻き起こした林忠正も、

国賊だ」と言って、仲間であるはずの日本人から非難されたこともあります。

なぜこんなにも理不尽なんだろう。

ただ自分が信じたものを追い求めただけなのに。

ただ当時の皆と少し違っていただけなのに。

でも。

史実から言えば、ゴッホは死後評価をされました。

今も人気の作家です。

生きている間に評価はされなかったかもしれない。

でも、作品は彼が亡くなった後も生き続けます。

それが芸術のすごいところです。

 

この小説にはこの理不尽な、世知辛い世の中すらも、

愛おしいと思える作品です。

私は正直に言ってこの小説を読むまでは

ゴッホの作品があまり好きではありませんでした。

でも原田マハさんのゴッホを含め人間全体への深い愛情(愛おしさといいましょうか)を感じて、

ゴッホの不器用な人間臭さも含めて大好きになりました。

この理不尽な世の中も、愛おしいと思えるようになりました。

芸術に興味がない方でも、十分楽しめる内容となってます!

少しでも多くの方に、

この作品の良さ、ゴッホの良さ、林忠正の凄さが伝われば幸いです^^

 

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