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原田マハ『楽園のカンヴァス』あらすじ・感想

今まで原田マハさんの作品を度々ご紹介させていただきました^^

今回は、

『楽園のカンヴァス』をご紹介いたします!

 

 

 

1.原田マハについて

原田マハさんについては、

以前『たゆたえども沈まず』をご紹介したときに

詳しく書いておりますので、

興味のある方はそちらをご参照ください^^

tomoe-reading.hatenadiary.jp

 

2.『楽園のカンヴァス』の概要・あらすじ

『楽園のカンヴァス』は、

2012年に出版された芸術小説です。

表紙に使われている絵画作品は、

アンリ・ルソーの『夢』という作品。

そうです、この作品が『楽園のカンヴァス』の主題となります。

 

Google Artsで作品を観る方はこちらへ

artsandculture.google.com

↓作品所蔵美術館で作品を観る方はこちらへ

www.moma.org

 

 

アンリ・ルソーという画家は、

一般的にはあまり有名ではありませんが、

非常に人気のある画家です!

私も大好きなアーティストです^^

ピカソと交流があったと言われていて、

ピカソの画風にも影響を与えたと言われています。

美術学校に通ったり、

誰かに絵を習っていたわけではなく、

独学で絵を描き始めたようです。

税関の職員を務めていましたが、

絵を描くためにリタイアし、亡くなるまで貧乏生活をしていたと言われています。

 

『楽園のカンヴァス』は、

アンリ・ルソーピカソの生きた時代と現代が

交互にリンクするような形式で進んでいきます。

ミステリー要素も含みながら、

生前には評価されなかったアンリ・ルソーについて迫っていきます。

 

なぜピカソが登場するのかと言いますと、

さきほどもちらっと言ったように、

アンリ・ルソーピカソは交流があったと言われています。

そして、ピカソにも影響を与えたのではないかと言われている。

そこにミステリーの要素を加えて、

アンリ・ルソーの魅力を存分に描き出していきます^^

 

ニューヨーク近代美術館のキュレーター、ティム・ブラウンはある日スイスの大邸宅に招かれる。そこで見たのは巨匠ルソーの名作「夢」に酷似した絵。持ち主は正しく真贋判定した者にこの絵を譲ると告げ、手がかりとなる謎の古書を読ませる。リミットは7日間。ライバルは日本人研究者・早川織絵。ルソーとピカソ、二人の天才がカンヴァスに込めた想いとは――—――。山本周五郎賞受賞作。(本書裏表紙より抜粋)

 

3.『楽園のカンヴァス』の感想

この作品は、

他の原田マハさんの芸術小説作品と同様、

絵や取り上げるアーティストに対する敬意や愛情が

存分に表れている作品です!

特に感情移入しやすいポイントとしては、

現代と当時が上手くリンクしているところ。

現代の視点で、

今の日本人の感覚で観ていくことが可能で、

主人公がルソーの生きた時代を想像するように、

想いを馳せるように、

読み手も

ルソーの時代にタイムスリップしているような、

そんな感覚で読むことができます。

この手法は、『暗幕のゲルニカ』でも使われています。

これが美術作品を観るうえで

すごく重要だと私は考えています!

作品が生きた時代のこと、

作者のこと、

もちろん知らなくても楽しむことができます。

しかし、知れば、もっともっと楽しめます。

その、美術作品を観るうえで大事な方法を、

小説という形で表現してくれている。

それが原田マハ作品の素晴らしいところです。

その表現の巧みさが、

私たちを作品世界の中に没頭させてくれます。

他の作品でもそうですが、

読めば

アンリ・ルソーのことが好きにならずにはいられません!

 

更に特筆すべき点は、

絵の表現ですね。

風景などもそうですが、

観たものを細かく言葉で表現するのって、

すごく難しい。

本当に伝わりにくいんですよね。 

どんな言葉を選んで

観たものを伝えたらいいのかわからなくなっちゃう。

しかし、この作品では事細かに書かれているんです。

目を閉じて、文章通りに想像すると、

絵の中に入っているような感覚になる。

それが本当に素晴らしい。

アンリ・ルソーの作品をご覧になったことがない方や

あまり絵画を観ないという方は、

ネットなどで画像を拡大しながら

文章に沿って絵を見ていくのもおすすめです!

 

私はこの作品で

よりアンリ・ルソーの魅力を知ることができて、

今ではすっかりアンリ・ルソーのファンです^^

秋の夜長に、皆様もパリへ旅をしてみるのはいかがでしょうか^^

 

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