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京極夏彦『今昔百鬼拾遺 河童』あらすじ・解説

前回は京極夏彦さんの『今昔百鬼拾遺 鬼』をご紹介いたしました!

今回は引き続き、続編の『今昔百鬼拾遺 河童』をご紹介いたします^^

 

 

1.京極夏彦って? 

京極夏彦さんについては、

こちらで詳しく書いておりますので、

興味のある方はこちらもご覧ください^^

tomoe-reading.hatenadiary.jp

 

2.『今昔百鬼拾遺 河童』の概要・あらすじ

『今昔百鬼拾遺 河童』は2019年5月に

角川文庫より発売された、『今昔百鬼拾遺』の第二作目。

京極夏彦さんの人気シリーズ『百鬼夜行シリーズ』のアナザーストーリーです。

前回もご紹介しましたが、

出版社を跨いで、3か月連続で出版されるという、

とても変わった手法で発売されました!

前回ご紹介した『鬼』は講談タイガ、

今回の『河童』は角川文庫、

三作目の『天狗』は新潮文庫から出版。

本屋さんで購入される際は、

出版社別の棚を間違わないように気をつけてくださいね^^

 

今回ご紹介する『河童』は、

前回の『鬼』から続いて、主人公は中禅寺敦子です。

そして、キーとなる登場人物として、

呉美由紀も引き続き登場します。

ですので、読み方としては『鬼』から読んでいただくのが良いとは思いますが、

話としてはこちらの作品で完結しているので、

『河童』単体でも楽しめます^^

昭和29年、夏。複雑に蛇行する夷隅川(いすみがわ)水系に、次々と奇妙な水死体が浮かんだ。3体目発見の報せを受けた科学雑誌「稀譚月報」の記者・中禅寺敦子は、薔薇十字探偵社の益田が調査中の模造宝石事件との関連を探るべく現地に向かった。第一発見者の女学生・呉美由紀、妖怪研究家・多々良勝五郎らと共に怪事件の謎に迫るが―――。山奥を流れる、美しく澄んだ川で巻き起こった惨劇と悲劇の真相とは。百鬼夜行シリーズ待望の長編。(本作品裏表紙より抜粋)

 

↓『今昔百鬼拾遺 鬼』の記事はこちらからどうぞ^^

tomoe-reading.hatenadiary.jp

3.『今昔百鬼拾遺 河童』の感想

 『鬼』に引き続き、

『河童』を読んだ感想は

「前回からパワーアップしている!」

ということです!

『鬼』はどちらかと言うと、

ライトな感じが強いのですが、

『河童』になると、主人公の中禅寺敦子が成長したように感じられるんですよ。

そこが、このシリーズの味噌になる部分だと思います。

顔合わせ的な、顔見世的な雰囲気が強かった『鬼』から

より踏み込んでストーリーが展開していく、という感覚がありました。

特に私が好きな部分は、

主人公・中禅寺敦子が多々良先生を理詰めで諭していくシーン。

理詰めの部分が京極作品を読む醍醐味なのですが、

他の作品に比べるとライトで淡白ではあるものの、

爽快で気持ちいい。

前作の『鬼』ではそこまで踏み込んでいけなかったのに、

どんどん切り込んでいける敦子の成長が痛快でございます。

ですので、

やはり、読むのであれば『鬼』から読んでいただくのがBest。

そこまで考えて、

この世界観を緻密に作り上げていっておられるのではないかと思える節があり、

本当に、

京極夏彦おそるべし、と実感した作品でした。

長い作品はなかなか手に出ないけど、

読んでみたいという方に、

このシリーズはおすすめです^^

また、京極作品ファンの方には、

百鬼夜行シリーズ』への準備運動として楽しめる作品です^^

 

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