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フィツジェラルド『グレート・ギャツビー』あらすじ・感想

若き天才と呼ばれたフィツジェラルド

「失われた世代」の代表的な作家です。

今回は、フィツジェラルドの代表作『グレート・ギャツビーをご紹介いたいます!

 

 

1.フィツジェラルドについて

冒頭でもご紹介したように、

フィツジェラルドは「失われた世代」の代表的な作家として有名です。

アメリカ出身の作家で、

若くして才能を開花させました。

ただ、奥様との関係の悪化、精神状態の悪化などもあり、

グレート・ギャツビー』以降は大きなヒットに恵まれず、

44歳の若さで生涯を終えました。

周りからの期待も高く、

才能を認めてくれる人はたくさんいたものの、

不遇の人生を歩んだと言っても過言ではありません。

とても繊細な方だったようです。

 

※失われた世代……第一次世界大戦を経験し、価値観ががらっと変わった世代です。

フィツジェラルドの他、ヘミング・ウェイも「失われた世代」の代表的な作家です。

 

2.『グレート・ギャツビー』について

まずは『グレート・ギャツビー』のあらすじをご紹介。

豪奢な邸宅に住み、絢爛たる映画に生きる謎の男ギャツビー。彼の胸にはかつて一途に愛情を捧げ、失った恋人デイズィへの以上な執念が育まれていた……。第一次世界大戦後のNY郊外を舞台に、狂おしいまでにひたむきな情熱に駆られた男の悲劇的な生涯を描き、何度も映画化された20世紀文学最大の問題作。滅びゆくものの美しさと青春の憂愁を華やかに謳いあげる世界文学の最高峰。(新潮文庫裏表紙より抜粋) 

 

グレート・ギャツビー』は1925年に出版された、

フィツジェラルドの3作目の小説です。

原題は"The Great Gatsby"で、

日本語役で「偉大なるギャツビー」「華麗なるギャツビー」と訳されることもあります。

 

アメリカでは、

第一次世界大戦が終わり、

その開放感から「ジャズ・エイジ」と言われる、狂騒の時代へと突入。

その真っ只中にありました。

しかし、1925年には

イタリアでムッソリーニが独裁宣言をし、

ドイツではヒットラーが『我が闘争』を出版、ナチス親衛隊が結成。

日本では、治安維持法が公布など、

少し不穏な空気が出始めた年であると言えます。

 

グレート・ギャツビー』では、

「狂騒の時代」のNYの煌びやかさ激しさが取り上げられています。

アメリカでは、

一時期は絶版になっていたこともあるようですが、

現在では、アメリカの代表的な作品として評価されているとのことです。

 

この『グレート・ギャツビー』は、

多くの作家に影響を与えた作品だと言われています。

特に日本で有名な方ですと、

村上春樹さんです!

作中にこの作品が出てくることでも有名で、

ご本人もこの作品に最も影響を受けた、と言われているそうです。

また、

村上春樹さんは、『グレート・ギャツビー』のご自身による翻訳も出版されています。

 

また、マンダムから発売されている「ギャツビー」シリーズの

「ギャツビー」という名前は、

グレート・ギャツビー』の主人公・ギャツビーの名前が由来だそう

こう考えると、

かなり広範囲にわたって、

影響を与えている作品だと言えますね^^

 

古典文学作品と言えば、映画化ですよね。

もちろん、この作品も何度も映画化されております!

最近でいうと、デカプリオ主演の『華麗なるギャツビーが有名でしょうか^^

近未来的な映像と音楽が、

当時と現代をつないで、より身近に感じられる内容になっていました!

こちらもおすすめです^^

 

3.『グレート・ギャツビー』の感想

実はアメリカの作家の方は少し苦手で、

あまり読む機会がなかったのですが、

デカプリオ主演の『華麗なるギャツビー』を観て、

原作も読みたくなり読んでみたのがきっかけです。

 

私は断然小説の方が好き!

フィツジェラルドの書き方が好きです。

他の短編集なども読みましたが、

グレート・ギャツビー』の表現や文章が一番洗練されていて、

なおかつ熱量がすごい!

 

現代にも通じる問題を描いています。

当時のアメリカの状態を詳しく知るとともに、

「人間って本当に変わらない。」

と思います。

人間の冷酷さをまざまざと見せつけられている。

現代まで続く「即物的な価値観」に対して疑問を投げかけています。

 

成功したって、

お金持ちになったとて、

幸福になれるとは限らない。

目の前にいる生身の人間をきちんと見ているのか?

大切にできているのか?

向き合えているのか?

そんな問いを投げかけられています。

フィツジェラルドの描写が淡々としているようで、

奥底にかなりの情熱を持ったような書き方で、

終盤は本当に怒りを覚えた場面が多々ありました。

様々な感情が込められて、

最後の方は感情移入をどっぷりしてしまって、

悔しくて泣きながら読み終えました。

 

見た目のかっこよさ、

地位や名誉なんて見せかけにすぎません。

それは、その人そのものではありません。

本当の幸せとは、成功とはなんでしょうか。

難しいですね。

私にはまだ「正解」がわかりません。

ただ、

見かけや煌びやかさに騙されず、惑わされず、流されず、

自分に正直に生きていきたいな、と思いました。

 

ちょっと昔のNYに旅をしてみてはいかがでしょうか^^

 

村上春樹さんの翻訳版はこちら

↓『華麗なるギャツビー』の映画版はこちら^^

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