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日々触れた芸術作品についての感想ブログです!不定期更新

アンソニー・ホロヴィッツ『カササギ殺人事件』あらすじ・感想

最近人気のミステリー作家のアンソニーホロヴィッツ

2019年度の「このミステリーはすごい!」で第1位を受賞した

カササギ殺人事件』をご紹介したいと思います!

 

 

1.アンソニーホロヴィッツって?

あまり日本では聞きなれないお名前かと思います。

アンソニーホロヴィッツ氏はイギリスの作家さんで、

ミステリー作品の脚本なども手掛けておられるようです。

経歴の中でも特に特筆すべきところは、

あの超有名なシャーロックホームズシリーズの続編を

アーサー・コナン・ドイルの財団から正式に執筆依頼を受けて作品を書いた!というところ。

あんな偉大な、読んだことがなくでも誰でも名前は知っているような

超有名作品の続編を書くって

かなりのプレッシャーではないかと思うんですよ……。

かなりの実績と腕がなければできないですよね。

(仮に私が彼の立場だったら恐れ多くて絶対できない。笑)

この経歴からでもとてもすごい方なんだと思われます。

イギリス在住の方で、彼の評判をご存知の方がいらっしゃったら是非聞かせてください^^

↓詳しい経歴はこちら。

ja.wikipedia.org

 

2.『カササギ殺人事件』って?

冒頭でもご紹介した通り、

2019年度の「このミステリーがすごい!」で第1位を獲得されております。

また同年の「本屋大賞」の翻訳部門でも第1位を獲得されています!

それだけ多くの方に支持された作品と言えます。

また、ミステリーファンの方々は題名を見て

「あれ?何かに似ている」

と思われた方も多いのではないでしょうか?

そうです、アガサ・クリスティー作品への敬意を存分に含んだ作品となっているのです!

この題名のつけ方がすごくアガサ・クリスティーの匂いを醸し出しています。

作中もアガサ・クリスティー作品のような、

イギリスの田園風景が広がったりと、

敬意を示したオマージュ作品としても評価が高いです。

旧来のミステリーファンも楽しめる作品となっております。

 

そして、そんな『カササギ殺人事件』のあらすじ。

1955年7月、サマセット州にあるパイ屋敷の家政婦の葬儀が、しめやかに執りおこなわれた。鍵のかかった屋敷の階段の下で倒れていた彼女は、掃除機のコードに足をひっかけたのか、あるいは……。その死は、小さな村の人間関係に少しずつひびを入れていく。余命わずかな名探偵アティカス・ピュントの推理は–––。(裏表紙より抜粋)

 

3.『カササギ殺人事件』の感想

ミステリー作品なので、

できるだけネタバレをしないように努めます。笑

私は読んでいて驚愕をしました!

こんな作り方ってあったのか……。

っていうか、えー!

と本当に驚きました。

これでもミステリーや探偵小説はすごく好きで、

シャーロックホームズシリーズ、アガサ・クリスティ

金田一耕助シリーズなどなど……

数多の本を読んできましたが、

これには一本取られました……。

ただ単にアガサ・クリスティのオマージュ作品として読んでいたら痛い目にあいます。

私はあいました。笑

映像の脚本をされていたり、

数多くのミステリーを熟読されているアンソニーホロヴィッツだからこそ

作り上げることができる作品ではないかと思います。

ミステリー作品の真髄とは、

読者参加型のエンターテイメントだと私は思っていますが、

そのエンターテイメントを存分に発揮された作品だと思います。

ミステリーが苦手な方も、もちろん楽しめます。

上下巻に分かれているのも意味があって、

一気に読まないと意味がわからないかもしれません。

極上のエンターテイメントを本で味わいたい方は

是非とも手に取ってみてください^^

 

 

 

原田マハ『たゆたえども沈まず』あらすじ・感想

個人的にすごく興味のある経歴を歩まれている原田マハさん。

今回は原田マハさんの『たゆたえども沈まず』という小説をご紹介いたします!

 

 

1.原田マハさんって?

まず原田マハさんのご紹介です。

原田マハさんはすごく興味がある経歴を歩まれています!

詳しくはこちら↓

haradamaha.com

なんと、NY近代美術館にご勤務された経験があり、

フリーのキュレーターとして活躍されていたとのこと!

NY近代美術館ってなんぞや?と思われた方も多いかと思いますが、

MoMA」と言われる、

もう美術界や美術ファンでは知らない人がいないというぐらいの世界的に有名な美術館で、

ものすごく有名な絵がたくさんあります。

そんな場所で働かれていた日本人、というだけで

芸術好きな私はひれ伏す想いでいっぱいです。笑

そして「キュレーター」というのは、

かなり砕けた言い方でいうと「バイヤー」「企画」みたいはポジションの方です。

大きい仕事でいうと、「展覧会の企画」でしょうか。

様々な美術館で行われる展覧会は、

キュレーターの腕にかかっていると言っても過言はありません。

とりあえず、原田マハさんとは、そんなすごい人なんです!

 

そんな私にとってすごい人、原田マハさんは、

芸術作品に関する作品をたくさん書かれています。

文章の表現力が素晴らしく、どんな作品も愛に満ちた作品を書かれています。

他の作品に関しては後日ご紹介するとして、

今回は『たゆたえども沈まず』についてご紹介したいと思います。

 

2.『たゆたえども沈まず』の意味とあらすじ

「たゆたえども沈まず」はパリ市の標語として有名です。

「どんな荒波に翻弄されようとも、決して沈むことはない」という意味です。

パリは世界的にいろんな災禍に見舞われることが多くありましたが、

その度ごとに復活してきた。

だから何があってもパリは決してくじけない!という強い気持ちが伺えます。

 

そしてこんな素敵な言葉を題名に付けられた小説のあらすじ

 

19世紀末のパリで二人の日本人が「ジャポニスム」と呼ばれる大きな動きを起こしていた。

そこで出会った一人の名もない画家、ゴッホ

自分にしか表現できないものをもがきながら探しているが、

世間からは評価されない。

そしてそんなゴッホを支える弟のテオの苦悩。

世間の荒波に翻弄されながら、四人が見た世界とは、目指した世界とは。

 

3.『たゆたえども沈まず』の感想

結論からいうと、大号泣しました

ゴッホの苦しみ、テオの苦しみ。

胸が張り裂けそうになりました。

この世の中は理不尽ではありますが、

どんなに頑張っても評価されるとは限りません。

どんなに頑張っても報われるとは限りません。

日本から海外に浮世絵を広め、大ブームを巻き起こした林忠正も、

国賊だ」と言って、仲間であるはずの日本人から非難されたこともあります。

なぜこんなにも理不尽なんだろう。

ただ自分が信じたものを追い求めただけなのに。

ただ当時の皆と少し違っていただけなのに。

でも。

史実から言えば、ゴッホは死後評価をされました。

今も人気の作家です。

生きている間に評価はされなかったかもしれない。

でも、作品は彼が亡くなった後も生き続けます。

それが芸術のすごいところです。

 

この小説にはこの理不尽な、世知辛い世の中すらも、

愛おしいと思える作品です。

私は正直に言ってこの小説を読むまでは

ゴッホの作品があまり好きではありませんでした。

でも原田マハさんのゴッホを含め人間全体への深い愛情(愛おしさといいましょうか)を感じて、

ゴッホの不器用な人間臭さも含めて大好きになりました。

この理不尽な世の中も、愛おしいと思えるようになりました。

芸術に興味がない方でも、十分楽しめる内容となってます!

少しでも多くの方に、

この作品の良さ、ゴッホの良さ、林忠正の凄さが伝われば幸いです^^

 

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原田マハさんの他の作品の紹介はこちら

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ゴッホと関わりが深い画家・ゴーギャンをモデルにした作品の紹介はこちら

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星野源『そして生活はつづく』感想

ミュージシャン、俳優、そして、執筆家として大活躍の星野源さん。

今回は星野源さんのエッセイ集『そして生活はつづく』をご紹介したいと思います!

 

 

『そして生活はつづく』って?

星野源さん著の『そして生活はつづく』というエッセイ集は

文芸PR誌『ウフ.』に2009年に連載されていたエッセイの書籍化作品です。

若かりし頃の星野さんの生活が垣間見えます。

 

また、この本の題名になっている『そして生活はつづく』。

星野さん自身が、

「このつまらない生活を毎日楽しんでいきたい!」という想いが込められています。

本著のなかでも綴られていますが、

どんなスターでもどんなお偉い人でも、

死ぬまで生活は続いていきます。

生活からは逃げられない。

だったら、全力で楽しもうじゃないか!

という星野さんなりの日々との向き合いが文章として綴られています。

 

『そして生活はつづく』の感想

「有名人が書いたエッセイってちょっと……」

と思っている方に是非読んでいただきたい本です!

星野源さんに興味がある方も、興味がない方も、楽しめる内容になってます。

少し前の作品ですが、

星野さんのするどい洞察力や、小さな出来事への気づきには

「こんな楽しみ方もあるんだなあ」

「こんな捉え方もあるんだなあ」と読んでいて気付かされます。

くすっと笑えて、

深く考えさせられるような内容もあります。

私は「生活はつづく」「子育てはつづく」というエッセイが特に大好きです。

この作品を読んで、私も何もない日常を全力で楽しみたいと思うようになりました。

何もなくたっていいじゃない。

ずぼらだっていいじゃない。

だって毎日こんなに面白いことがたくさんあるんだもん。

そう思える作品です。

エッセイ集ですので、構えることがなく読めるも良いところですね!

 

毎日にちょっと疲れた方、

何か読みたいけどライトなものを読みたい方に特におすすめです!

こんな毎日に一息ついてみるのはいかがですか?^^

 

 

 

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